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末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 古木 裕一*; 藤吉 孝則*; 千星 聡*; 尾崎 壽紀*; 坂根 仁*; 工藤 昌輝*; 安田 和弘*; 石川 法人
Japanese Journal of Applied Physics, 59(2), p.023001_1 - 023001_7, 2020/02
被引用回数:6 パーセンタイル:38.95(Physics, Applied)GdBaCuOy (GdBCO)コート超伝導体に対して、80MeV Xeイオンを異なる方向から照射することにより、異なる方向の柱状欠陥を一つの試料に対して導入した。その結果、45方向から照射することで導入される柱状欠陥は連続形状でかつ直径が大きく、一方でc軸方向(0方向)から照射することで導入される柱状欠陥は不連続形状でかつ直径が小さい、ということが分かった。柱状欠陥の形態が導入方向に依存することを利用すると、臨界電流密度を効果的に向上させることができる、ということが分かった。
西尾 敏; 飛田 健次; 牛草 健吉; 小西 哲之
プラズマ・核融合学会誌, 78(11), p.1218 - 1230, 2002/11
経済性と環境安全性に優れたトカマク炉(A-SSTR2)の概念設計を行った。ITER-FEATとほぼ同じサイズのコンパクトさで、4GWの高い核融合出力を得るべく、規格化ベータ=4及びトロイダルコイルの最大経験磁場23Tを設定した。60MW,1.5MeVの負イオン中性粒子ビーム電流駆動と約80%のブートストラップ電流で定常運転を行う。装置構成上の特徴はセンターソレノイド(CS)コイルが排除されている点である。CSコイルを排除してもプラズマ着火及び電流立ち上げが可能であることを1.5D輸送コードTOPICS及びASTRAコードを用いたシミュレーションにより示した。最大磁場23Tのトロイダルコイルに作用する強大な電磁力を支持するために、CSコイルを排除したトーラス中心領域に支持構造部及び中心支柱を配置し許容応力を満足する構造解を見いだした。ポロイダルコイルは6個と簡素化されているが、三角形度0.4,楕円度1.8のプラズマ平衡配位が得られている。ERRATO-Jコードの評価では、導体壁をr/a=1.2の位置に置くことで=4までキンクモード(n=1,2)が安定となる。TOPICSで得られた分布では、最大出力時においてもバルーニングモードは安定であることが確認されている。垂直位置不安定性については、バナジウム合金製の5cm厚の鞍型安定化シェルの設置により、不安定性の成長率を40Hzと抑制することができ、フィードバック制御の見通しが得られた。
町田 昌彦*; 加藤 克海*; 蕪木 英雄
電気学会論文誌,A, 115(12), p.1171 - 1179, 1995/12
超電導体における磁束状態やそれらの運動の研究が盛んな現在、著者らは標題のように数値シミュレーション手法を使った研究方法の確立を目指しここ数年研究を続けてきた。その結果、現在では様々な形状の超電導体において任意の大きさの磁場と輸送電流の下で磁束運動のシミュレーションを行えるようになった。そこで、本論文誌の解説記事として、それらの手法を概説し、いくつかの計算結果を示す。また、超電導体の磁束状態の理解が数値シミュレーションによりどれほど進展してきたかについても既存の理論的理解と比較しながら述べる。
舘野 淳
科学全書,48, 異端の化合物; 不定比性とはなにか, 157 Pages, 1993/06
FeO,CeO,UO,などはドルトンの「定比例の法則」に従がわず、不定比組成をもつ物質である。本書はこれらの化合物に関する解説書である。1.不定比化合物とは何か、2.「欠陥」化合物とその性質、3.身近に役立つ不定比化合物、4.不定比化合物を演出するd電子とf電子、5.不定比化合物の状態図をめぐって、の各章から成っており、研究の歴史、格子欠陥と電気的性質、電子状態、相平衡、相図などの熱力学について、などできるだけ平易な解説を行った。また、各種センサー、圧電素子、燃料電池、高温超電導物質など不定比合物の利用・応用についても述べた。
荒 克之; 片桐 政樹; 伊藤 博邦; 坂佐井 馨
Journal of Applied Physics, 73(1), p.471 - 473, 1993/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.04(Physics, Applied)10kHzの交流励磁界でのデスク状Bi系焼結試料の交流磁束侵入特性を72kで測定した。交流励磁には試料にとりつけた平面コイルをまた侵入磁束の検出には試料のウラ側にとりつけた平面コイルをそれぞれ用いた。測定結果は興味ある非線形の磁束侵入特性を示した。交流励磁がある強さになるまでは磁束の侵入はゼロで、あるところで急に侵入が開始されて急激に増大し飽和値に達する。磁束の侵入が開始されるところの励磁界はHと関係があると考える。交流励磁に直流励磁を重ねると、直流励磁界の増大とともに交流励磁による交流磁束の侵入が開始されある飽和値に達する。その後、直流励磁をゼロにしても交流磁束の侵入は保持される。これは直流磁束のピンニングが行れ、直流磁束が残留するためと考える。
小池 洋二*; 海和 政宏*; 梶谷 剛*; 加藤 雅恒*; 砂川 啓*; 野地 尚*; 小林 典男*; 森井 幸生; 舩橋 達; 斉藤 好民*
Physica C, 211, p.409 - 420, 1993/00
被引用回数:9 パーセンタイル:49.42(Physics, Applied)3d金属Mで部分的に置換されたPbSrYCa(CuM)O(M=Fe,Co,Ni,Zn,Ga)の置換原子位置と、超電導および磁性との相関について研究した。中性子回折実験からFe原子は酸素を含まない銅層のCu(1)原子と置換するのに対し、Co,Ni,Zn,Ga原子はCuO層のCu(2)原子と置換する事が明らかになった。このことからCu(1)位置を部分的に置換することは超電導に若干の影響を与えることや、Cu(2)位置のCuスピン間の反強磁性相関は常電導相において残る事が結論づけられた。
藤下 豪司*; 佐藤 正俊*; 森井 幸生; 舩橋 達
Physica C, 210, p.529 - 535, 1993/00
被引用回数:5 パーセンタイル:34.11(Physics, Applied)PbSrYCuO(=0,1.67)の結晶構造を中性子粉末回折法により決定した。=0の試料では以前から考えられていた斜方晶系よりも単斜晶系と考えた方が回折実験をより良く説明することが明らかになった。X線回折では決定困難だった酸素位置、特にO(2)原子位置を精密に決定することができた。熱処理した試料についてはX線回折結果は正方晶系を、中性子回折結果は斜方晶系を支持しているが、今回の実験結果をリートベルト解析した結果でも斜方晶の方がよりよいフィッティング結果を示した。
坂佐井 馨; 岸本 牧; 荒 克之
MAG-92-234, p.75 - 81, 1992/11
完全反磁性体を用いた電流ダイポールの指向性検出方法について検討し、完全反磁性体としてビスマス系高温超電導体を使った実験を行った。考案した体系は、マグネトメータを2枚の超電導板ではさんだもので、マグネトメータが感度良く検出できるのは、2枚の超電導板の延長面にはさまれた領域に存在し、かつ板面に垂直な向きをもった電流ダイポールである。実験の結果、平行平板に垂直なダイポールと平行なダイポールが混在している場合、測定値の空間分解能(半値幅)は、平板に垂直なダイポールのみしか存在しないとしたときとほぼ同じになった。すなわち、考案した体系を用いると、平板に垂直なダイポールのみを空間的に検出可能であることがわかった。
荒 克之; 片桐 政樹; 伊藤 博邦; 坂佐井 馨
MAG-92-124, p.21 - 30, 1992/07
ディスク状Bi系高温超電導体試料に平面コイルを取り付け、交流励磁における磁束の侵入・透過特性を調べた。交流励磁がある強さになるまでは磁束の透過はゼロで、あるところから急に透過が開始され、急激に増大して飽和値に達する。飽和に達したあとは磁束の透過量は磁化電流に比例して増大する。磁束の透過が開始され飽和に達するまでの非安定領域と飽和に達したあとの安定領域における励磁界と透過磁束の波形を調べたところ、非安定領域では磁束の位相が90°近く遅れており、また安定領域ではあまり大きな位相差はないことが確認された。このことは非安定領域は超電導から常電導への遷移領域に相当し、大きなエネルギー損失が生じていること、安定領域では安定な常電導相が形成されて磁束の透過に必要なエネルギーは少ないこと、などが明らかになった。
竹内 末広
DESY-M-92-01 (Vol. 1), p.76 - 83, 1992/04
原研物理部における高周波超電導に関する研究開発活動には(1)超電導空洞を用いたタンデム後段ブースターの開発(2)超電導リニアックを利用した自由電子レーザーの開発(3)酸化物高温超電導体の高周波特性の研究と応用の3つがある。会議ではこれらの現状報告を行う。(1)については超電導空洞の製作状況と性能テストの結果及びクライオスタット、ヘリウム冷凍機の内容について概要を述べる。(2)については、リニアックの構成と製作状況、冷凍方式について概要を述べる。(3)については、表面抵抗の測定について簡単に述べる。
坂佐井 馨; 岸本 牧; 荒 克之
MAG-92-82, p.61 - 66, 1992/03
完全反磁性体を用いた磁気ダイポールの指向性検出方法について検討し、完全反磁性体としてBi系高温超電導体を使った実験を行った。実験では、半径方向に細いスリットを入れたドーナツ状の試料を積み重ね、ダイポールとして模擬した微小磁石をその下方で移動させて試料の中央穴に浸入する磁束をホール素子で測定した。その結果、ダイポールとセンサの向きが一致する点付近では、センサの実効的な感度が増大することがわかった。これは試料の反磁性的性質によって、ダイポールの磁束が試料の中央穴に集められるからである。また、感度が最も増大する位置は、ダイポールとセンサが最も近い位置ではなく、ある程度離れた点であることもわかった。このことは、磁束源を無侵襲で測定しなければならない生体磁界計測等においては好都合である。
進藤 大輔*; 大石 一義*; 平賀 賢二*; 庄野 安彦*; 北條 喜一; 古野 茂実
Mater. Trans. JIM, 32(9), p.872 - 874, 1991/00
被引用回数:1 パーセンタイル:58.39(Materials Science, Multidisciplinary)電子エネルギー損失分析器を用いて、LaMCuO(M=Sr,BaそしてCa)について、各々の酸素K-Edgeの微細構造について調べた。その結果、528eV近傍にホールに対応したピークが観察され、この高さはホール濃度によく対応したピークが観察され、この高さはホール濃度によく対応している。次に、Srの濃度を0x0.4の中で変化させてTcを測定した結果、x=0.15で最大のTc(37K)を示した。この時のホールピークの高さは最大値を示した。又Caをドープした試料はSrやBaをドープした試料に比較してTcもホールピークも低くなった。
中村 彰夫
Solid State Ionics, 49, p.9 - 15, 1991/00
被引用回数:3 パーセンタイル:26.66(Chemistry, Physical)高温超電導への一つの新しい化学的アプローチとして、筆者が提案している多重原子価共鳴凝縮モデル(MVRCモデル)について解説する。本モデルは、高温超電導が、化学結合力としての価電子の自己組織化プロセス(価電揺動価電秩序化共鳴凝縮)によって実現されたミクロな共鳴の巨視的なボーズ凝縮状態であることを示唆する。これが、様々の高温酸化物及び合金系超電導体の超電導状態の一つの可能な統一的描像を与えることを例証する。超伝導と物質の最も基本的な性質である化学結合との間の深い連関を明らかにしつつ、本モデルは、新超電導体の探索や新しい超電導の微視的モデルの構築に有用であると思われる。
舘野 淳; 正木 典夫
Japanese Journal of Applied Physics, 29(11), p.2407 - 2410, 1990/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Applied)高温超電導物質YBaCuOの粉末試料のマイクロ波特性を、定在波法を用いて9.12GHzで測定した。超電導性と誘電性が共存するという前提で解析を行なった結果、粉末試料の侵入深さは0.3cmにもおよぶことが分かった。粉末の試料の侵入深さの温度依存性は、コンパクトな物質のロンドン侵入度の温度依存性とほぼ一致する。超電導転移点においては、誘電率の虚数部分が発散することが見い出されたが、これは、ゆらぎ又はジョセフソン効果によるものと考えられる。
大林 康二*; 塚本 英明*; 山下 浩之*; 福本 彰*; 宇都宮 吉治*; 荻田 典男*; 宇田川 真行*; 舩橋 達
Journal of the Physical Society of Japan, 59(4), p.1372 - 1383, 1990/04
被引用回数:18 パーセンタイル:74.25(Physics, Multidisciplinary)La系の高温超電導物質では、250~800cmのエネルギー領域の赤外吸収スペクトルに3本のフォノンによる吸収線があり、エネルギーの高い側からP、P、Pと名付けられている。このうちPの強度はLaを置換するイオンによって敏感に変化する。この現象を赤外異常と呼んでいるが、超電導は強度比I(P)/I(P)がほとんど0に近いものにおいて出現する。この赤外異常と超電導出現の相関は(LaM)CuO(M=Ca、Sr、Ba)にかぎらず、(LaS)(CuN)O(N=Ni、Zn)においても一般的に見られることが確認された。振動モード解析から、異常ピークPはC軸に垂直な方向のCu-O結合の伸縮運動に対応するものであると考えられる。
進藤 大輔*; 平賀 賢二*; 中島 理*; 菊地 昌枝*; 庄野 安彦*; 北條 喜一; 曽我 猛; 古野 茂実; 大津 仁
Physica C, 165, p.321 - 324, 1990/00
被引用回数:8 パーセンタイル:50.8(Physics, Applied)高温超電導体TlBaCaO(n=1~3)において、Cu-O層の増加に伴うホール濃度の変化を電子エネルギー分光法で調べた。Cu-O層の数nを増加させるに従って、ホール濃度が下がることが明らかになり、これはCu-O結合上のホール濃度が減少してゆくものと結論した。TlBaCuO(n=1の場合)において、2価のBaを3価のIaで置換してホール濃度を下げると、臨界温度Tcが55Kまで上昇することが判った。このことから、TlBaCuOにおいては、ホールが過剰にドープされているものと結論した。
中村 彰夫
Studies of High Temperature Superconductors; Advances in Research and Applications,Vol. 4, p.311 - 337, 1990/00
高温超電導体における電子対形成及び超電導への一つの新しい理論的アプローチとして、筆者が現在提案を行っている多重原子価共鳴凝縮モデルについて、詳細な解説と議論を行なった。酸化物高温超電導体とA-15型合金超電導体に主要な焦点を当て、まず本モデルの示唆する結晶分子内のミクロな化学共鳴が結晶全体に一、二、三次元的にコヒーレントに拡がった量子力学的共鳴凝縮状態が高温超電導状態であるとする考えが、実際の核種超電導体に良く当てはまる事を例証した。次に、この基礎の上に導かれた超電導転移温度Tの理論式が、酸化物超電導体系での酸素の同位体効果、従来の金属系超電導におけるTM/2=constantなる関係式(BCS limit)、PdH(D)系でのHD置換に伴う逆同位体効果等の、様々の同位体効果の挙動を矛盾なく系統的に説明し得る事を示した。今後の理論の展開の方向について、最後に又議論を行なった。
舘野 淳; 正木 典夫; 岩瀬 彰宏
Physics Letters A, 138(6-7), p.313 - 317, 1989/07
被引用回数:13 パーセンタイル:70.33(Physics, Multidisciplinary)LaCuOの9GHzにおける誘電子率および直流電導度を5k~150kの温度範囲で測定した。誘電率測定においては高温領域(40k~100k)でデバイ型の誘電緩和が観測されたが、その活性エネルギーは0.024eVであった。
白石 健介; 伊藤 洋; 依田 修
Japanese Journal of Applied Physics, 28(3), p.L409 - L411, 1989/03
被引用回数:11 パーセンタイル:54.49(Physics, Applied)単相のBaYCuOのペレットを200keVの酸素イオンまたは窒素イオンで1.510mまで室温照射し、電気抵抗を温度の関数として測定した。電流密度を30kA・mより大きくして測定した電気抵抗値から求めた超電導-常電導転移温度は約310mのイオン照射によって上昇する。電流密度を121kA・mにして測定した転移温度は1.610mの酸素イオン照射によって、88.1~89.1kから90.4kまで上昇するが、更に照射を続けると転移温度は低下し、約110mの照射で、照射前の値に戻る。これらのことは、BaYCuOペレットに室温で10dpa程度に相当する照射欠陥を導入することによって臨界電流密度が上昇することを示している。さらに、比較的低エネルギーの重イオン照射によって表面の極く浅い領域のみに導入した照射欠陥の影響を試料全体の電気抵抗を測定することによって検出できることが実証できた。
進藤 大輔*; 平賀 賢二*; 中島 理*; 菊地 昌枝*; 庄野 安彦*; 小林 典男*; 北條 喜一; 曽我 猛; 古野 茂実; 大津 仁
Physica C, 159, p.794 - 796, 1989/00
被引用回数:20 パーセンタイル:72.74(Physics, Applied)高温超電導体TlBaCaCuOにおいて、二価のCaを三価のYに置換することによるホールの濃度の変化を電子エネルギー損失分光法で調べた。Yの添加量を増加させるに従って、ホールの濃度が減少することを明らかにした。ホール濃度の減少はTlBaCaCuOにおける超電導体相から半導体相への相転移に従って生ずるものと結論した。